英語講師時代に出会ったギフテッド児
gifted(ギフテッド)とは?
ギフテッド(英: Intellectual giftedness)とは、平均より著しく高い知的能力のことである。
様々に定義された子供の特性であり、この特性は成人になっても持続すると考えられている。
子供でも大人でも、一般的に合意されたギフテッドの定義はない。
しかし、ほとんどは、人口の上位2.5パーセントのIQ、つまりIQ130以上の人々を対象としている。
ーウィキペディアより
うーーん、なんだかちょっと難しいですよね。
簡単に言うと、生まれつき突出した才能を授かった人のことを称する言葉のようです。
Gifted(ギフテッド)とは、贈り物を意味するギフト(Gift)が語源となっており、これは先天的な資質であるため、先取り教育などによって後天的にギフテッドに成長することはできません。
まさに、生まれながらにして天から授かった才能ですね。
そもそもその人がIQ130以上かなんて会っただけじゃわからないですもんねー。
それこそ、誰もが知る天才というか、誰も想像すらできなかったような事を実際にやり遂げてしまった人。
相対性理論のアインシュタインとか、マイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルのスティーブ・ジョブズといった方々は、間違いなくgiftedだと言えるでしょうね。
あとはドラマなんかでも最近よく出てくるフォトグラフィックメモリーと呼ばれる瞬間記憶能力を持った人。
でもあんな人本当にいるのかな〜?
ちょっと胡散臭いなぁなんて思っていた私。
そう、あの日あの子に出会うまでは…(チャラララ〜ん)
体験教室での生涯忘れられない出会い
でね、質問なんですけど、皆さんはギフテッドの方に実際に出会ったことってありますか?
実は私ね、出会ったことがあるんですよ!!!(興奮気味)
私がまだ子ども英語教室で講師をしていた時の話なんですが、それはそれはもう、驚いたを超えて、その瞬間心臓がバクバクドキドキ…あの時の私の心はもう、レッスンどころではなくなってしまったんですよ。(こら真面目にやれ。笑)
それがもう10年以上前の話になるんですけど、その時のことは未だに鮮明に覚えてますね。
体に稲妻が走ったみたいな衝撃でした。
お母さんと体験レッスンに来てくれた2歳の男の子の話
私が勤めていた英語教室では、定期的に体験教室という無料のお試しレッスンのようなものを開催していて、その日は1歳半〜2歳児さんの体験クラスに6組くらいの親子が申し込んでくださっていたんですね。
その中に1歳半くらいの男の子とお母さんがいたのですが、初めに教室に入ってきた時からその男の子は他の5人の子たちと少し様子が違って見えました。
職業柄、さまざまな特性や障害を持ったお子さんと接する機会が多かったので全く驚きはしなかったのですが、その男の子は、今まで私が接してきた特性を持つお子さんとはまるで違う雰囲気を出していました。
その子は動きや仕草がすごく特徴的で、いわゆる自閉症のお子さんかな?とすぐに気づいたのですが、別に私にとって珍しいことではなかったので特に何もフォローなどはせずにそのままレッスンを進めました。
いつも通り楽しく体験レッスンをし(その男の子はレッスンには参加せずただ見ているだけでした。でもそんなお子さんは結構いらっしゃいます笑)、最後にママのお膝の上で英語絵本を読むという時間になりました。
皆さんに同じ絵本をお渡しして、ママの膝にお子さんを乗せて、私がその絵本を朗読します。
ママとお子さんは、絵本の文字や可愛いイラストを私の朗読に沿って目で追いながら親子でお話を楽しむ時間です。
そしていつものように楽しい体験レッスンが終わりました。
最後に皆さんからの質問を受けたり、アンケートを書いてもらったり、入会に関する受付をしたりする時間になり、私は各親子を順番に周りフォローをしていました。
そして最後にその男の子のお母さんのところに行って
「今日の体験レッスンいかがでしたか〜?」
と聞いたら、お母さんが
「すみませんこの子なんだか変わってて…でも楽しかったみたい。特にあの絵本すごく気に入ったみたいでさっきからずっと見てるんですよ〜」
っておっしゃったんです。
男の子はお母さんから少し離れたところで絵本を見ながら何か早口でずっと独り言を言っていたので、私は声を掛けに男の子のところへ行きました。
「来てくれてありがとうね!今日、楽しかったかな?」
そう声を掛けましたが男の子はずっと絵本を見ながら何やらゴニョゴニョ喋っていて、何を言ってるのかな?と思って男の子が喋っているその言葉をよーーく聞いてみると…
「My little bear cub must be tired, said Mummy, after such a busy day...」
えっ!?
えええええええええええええ!?
嘘でしょ!?嘘でしょ!?
声も小さくて発音も鮮明じゃない、でも、この子、確かに、明らか〜に
この英語絵本の文字を読んでる!!!(2歳ですよ?)
2歳って言ったらまだ日本語すら全然上手に喋れないし、ましてや文章なんて読めないですよね?
この英語の絵本はさっき私がたった一回朗読しただけ。
もしかしたらおうちに同じ絵本があって、元々記憶している??
そう思ってすぐにお母さんに
「これと同じ絵本、家にお持ちなんですか?」
と、バクバクと波打つ心臓をよそに平常心を保っているふりをしながら(笑)聞いてみると
「いいえー、英語の絵本なんて持ってないですよー私も英語が苦手で全然わからないですし〜(笑)」
!!!(驚きで声も出ない)
その瞬間に
『この子はgiftedだ!!』と。
もう興奮MAX状態でまたその子のところへ戻り、別のページを開いて
「ここは読める?」
と聞くと、その男の子は私の質問には答えず
「...even ladybird with three spots on one wing and not a single spot...」
う、うっひょーーー!!!!(あくまで心の声です笑)
私の中にいる内なる小人たちの小躍りが止まりません!笑
私が指差したまさにそのセンテンスをいとも簡単にサラサラと読んでいる…
私の読んだ英語の発音を音として瞬間的に記憶しているのか、それともそもそも英語の文字列からそれぞれの発音を推測・理解して文字を読んでいるのか、どちらの方法で読めているのかはわからなかったのですが、その凄さはもうまさに鳥肌ものでした。
その子は体験レッスンの間も、教室の隅に座って時々頭を壁にコンコンと打ち付けていました。
あの動きや仕草、そしてこの瞬間記憶能力…
ーーこの子はサヴァン症候群かも知れない
すぐにそう思いました。
幼児教育をするにあたって、特性や障害の事は一通り勉強はしていたので、まず間違いないなと思いました。
でも実際にサヴァンのお子さんと接するのは初めて。
そしてお母さんがあまりにも普通の方すぎて、ご自身がお子さんの特性には全く気づいておらず(これも驚きだったんですけど笑)、『ちょっと変わった子だなー』程度にしか思っていなかったそうです。
体験レッスンが終わって皆さんが帰ったあと、その親子を呼び止めて少し話をさせてもらいました。
まずお子さんが瞬間記憶能力がある可能性があること、IQテストを受けてみるべきとおすすめしたりしました。
お母さんはそれでもイマイチピンとこられてなかったですが🤣
今彼は恐らく中学2年生くらいになってると思うのですが、どんな男の子になってるのかなぁ…
なんて。
10年以上たった今でも時々思い出すほど、私の中で衝撃的なエピソードです。
皆さんも、英語にまつわる珍しい体験談などあればまた良かったら聞かせて下さいね^^